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No.3【日本のヒューマノイド文化と仏教】

時事ネタと仏教

日本のロボットエンジニアには、世界的に知られたある特色があります。 

ヒューマノイド型ロボット〉が大好きだということです。  

 つまり、生き物である人間に中味はもちろん姿形までかぎりなくコピーすることに情熱を燃やし、コダワリをみせる人が多いということですが、以前ソニーのエンジニアが開発して話題になった犬型ロボットの〈AIBO君〉もまた、

 人の姿形のコピー

  ↓

 犬の姿形のコピー

とシフトしただけのヒューマノイド型ロボの犬君ヴァージョンだったといえるでしょう。 

 たとえば、福島原発のような事故った原発の後始末が典型ですが、原子炉内部の「掃除」用のロボット。考えてみれば、これなどは「掃除」の機能を極大化したキャタピラ付きのブルドーザー型ロボットを追究すればすむ話。

〈なぜ人間そっくりでなければいけないのか?〉

と外国人のロボットエンジニアたちは首をひねるわけです。

日本は世界的にみても、〈からくり人形〉の技術を早くから発達させた歴史をもつ国ですが、じつは仏教と関係しているのじゃないでしょうか? 

 たとえば、禅宗が重用する『維摩経』という経典がありますが、そのなかに、

〈人間、人間というが、しょせん「空」のからくり人形にすぎず、幻影にひとしい〉

 と説く一節がでてきます。 

 また日本の有力な禅の宗派・曹洞宗を開いた鎌倉時代道元は、主著の『正法眼蔵』のなかで、

〈人間もガレキも「空」(「虚空」)の境地においては区別がなくなる〉

とくりかえしのべたりします。

 さらに同じ曹洞宗道元の少しあとの瑩山という偉い坊さんは、

〈「空」の次元においては、壁や垣根が人間の言葉をのみこんで従い、木人石女が人間に頭をさげる〉

つまり、「無機物と人間が『空』のなかでたがいにコミュニケーションし合う世界」

が到来すると言っている! 

 この「壁」や「垣根」とのコミュニケーションという発想は、あらゆるものに埋めこまれたコンピューターがインターネットを通じて人間とコミュニケーションし合う、

〈IoT社会〉

 を想起させますし、「木人石女」(木や石でできた人間)に至っては人型ロボットそのものです。 

〈日本人のヒューマノイド好き〉、これは偶然生まれたものではない。仏教的発想によるものではないかという気がしてなりません。