読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

No.5【宇宙人と仏教】

時事ネタと仏教

  トランプ次期大統領誕生の余波がおさまりません。 

 十二月八日の夜テレビ東京でオンエアされた「ミステリー&スゴ技/見た事もない24時間SP」は、トランプ当選の「背景」について出色の分析報道をおこなっていました。

  ご覧になった方も多いでしょうが、そのキャッチコピーが、

〈トランプと宇宙人が手を組んだ!? ヒラリー落選に隠された秘密〉

 という思わず身をのりだしたくなる煽りです。で、肝心の内容はどうかといえば、要するに、「ヒラリーさんは宇宙人に嫌われたので負けた」ということでした。

 なぜ嫌われたのかというと、結局、「エリア51のたたり」だそうです。 

 米空軍が宇宙人と手を組んで秘密兵器を開発中というかねてウワサの基地ですが、ヒラリーさんは大胆にも、「私が大統領になったら、UFOとエリア51の情報をすべて公開する」と全国遊説中に約束した。これが〝宇宙人サイド〟の不興を買ったのだとか。

 いや、〝エリア51産業〟の相変わらずのご繁盛ぶり、まことにご同慶の至りですが、番組を見ていてふと、以前友人から、

「宇宙人がもし襲来したら仏教徒はどうするの?」

と聞かれたことを思い出しました。

 べつにどうもしません。

 宇宙人も〈空〉ですから。

 むろん地球人も〈空〉。 

 仏教的には、〈宇宙人対地球人の戦争〉自体が「幻魔大戦」になる。

 あとは自己責任です。

 宇宙人と戦うも自由、戦わないも自由。

 一切の指示をあたえない。 

 その徹底した自由ぶりは「すごい!」と同時に「こわい!」ものでもある。

 そう、すべては自分の責任になりますから。

 仏教はこの自由の境地を、昔から、

〈遊戯(ゆげ)の境地〉

 と呼び、仏教の達人のみが達し得る境地として尊んできました。 

 この「遊戯」には文字通り、蝶のように舞い飛ぶ、〈自由自在の境地〉の意味がこめられています。

 まあ、われわれ凡人には一生かかってもたどりつけそうのない境地ですけどね。