読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

No.16【マインドフルネスのブームと仏教(2)】

時事ネタと仏教

 

 一つには、日本が伝統的に「大乗仏教」の国だということがあります。

 現在、日本にはコンビニの数より多くの寺院がありますが、この大半が「大乗仏教」のお寺です。

 禅宗、浄土仏教系の宗派、日蓮宗、みな大乗仏教です。密教はちょっとちがいますが、大乗仏教から生まれたものですから、まあ、親戚のようなものかもしれません。

 仏教はインドで生まれましたが、大きく分けて二つの流れがありました。このうちインドからヒマラヤの北、中国大陸(チベット、朝鮮をふくむ)と日本へ広まったのが大乗仏教です。

 一方、スリランカや東南アジアを中心に定着したのがテーラワーダ仏教。少し前までは大乗仏教との対比で「小乗仏教」と日本人は呼んできましたが、いまは「差別的」ということであまり使われません。

 で、この「北」「南」の二つの仏教は基本、たがいを認めていないんですね。

(おまえらの仏教はおかしい)

 と心のなかでは思っている。日本のお坊さんもたいていはそうです。

  そんなところへ「マインドフルネス」が上陸してきた。

 ところが、これはどうみても南方仏教テーラワーダ仏教が売り物とする「ヴィッパサナー瞑想」を言い換えたものです。

 なんとなくモヤモヤするわけですね。

 とくに面白くないのが禅宗のお坊さん(一部の)たちです。

 禅宗は、仏教のなかでも座禅、つまり「瞑想法のプロ」を自任してきた。道場やセミナーも盛んにやってきました。

どうしても「摩擦係数」が高くならざるを得ないわけです。

 そこで、

「あんなものは本当の瞑想とはいえない」

 ということになる。狭い料簡とは承知しつつも自然そういうことになる。

  それが一つ。

 もう一つは――いまの問題といささか矛盾する問題ですが――マインドフルネス側の「仏教隠し」の問題があります。